宇目を歩くー木浦 
 
奥江 
 
大道庵の薬師如来と脇侍・十二神将 
 
 
奥江の大道庵 
 
 
大道庵 
 
 
薬師如来と脇侍・十二神将(ガラス越しに撮影) 
 
 
 
薬師如来と脇侍 
 
奥江の薬師如来と十二神将

 大字木浦内字奥江

 江戸時代初期の制作と推定されるもので、大道庵(小野市長徳寺の末庵)に安置されている。
 この十二神将は薬師如来の眷属として作られ、いずれも甲冑をつけた武将の姿である。薬師の名号を受持し衆生を護るといわれている。宮毘羅、伐折羅、迷企羅、安底羅、珊底羅、因陀羅、波夷羅、摩虎羅、真達羅、招杜羅、毘羯羅、頞儞羅の十二神将をいう。後世には昼夜十二時の護法神として十二支の動物を冠に戴くものも作られるようになったが、最初の宮毘羅大将を子神とするものや、玄神とするものなどがありはっきりしない。

宇目町史 

薬師如来
 薬師琉璃光如来といい、東方の浄瑠璃世界の教主。もと菩薩であったとき12の大願を発し、衆生の病苦を除き、安楽を与えるなどの現世利益をもたらすことを誓う。薬師如来への信仰は、特に重病に陥った者のためにこの如来の像に対して薬師経を49遍読誦し、49灯を燃やすことなどによりその意識を回復させ、命を継続させることが可能になる、とする続命法に基づいて盛んになった。日光・月光菩薩を脇侍として薬師三尊となり、十二神将を眷属とする。



緊急報告

 大道庵の建物は倒壊寸前です。屋根や軒、柱の腐れが大変ひどくなっています。この「奥江の大道庵」は、次世代に遺すべき「ふるさと佐伯」の景観だと思います。難しい問題もあるかと思いますが、何とか保存できないものでしょうか。皆さん、是非一度、現地を訪れてご自分の眼で見てください。失なってからでは取り返しがつきません。

 
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木浦鉱山 
 
山神社 
 
 
 
 
 
 
木浦山神社

 宇目町大字木浦鉱山字上町

 建築様式は流れ造り又は一間社流造りともいう。この建築の特徴は、屋根は前の方が後ろより長く伸びて向拝(拝殿)を覆い、ちょうど屋根が一つの曲線となり同じ流れに葺いているので、この名前がある。日本的な自然さと荘厳さを兼ねた様式なので全国的に普及し、大多数の神社に用いられたこの建築様式が圧倒的に多い。
時代が下がると荘厳さに加え優雅さを表し、特に彫刻は宮大工が工夫をこらしており、芸術的価値が極めて高い。
 この山神社は、木浦鉱山の開発に関連して造営されたものと思われるが、建築様式から推測すると、彫刻の方法、制作技術、迫力など、荘厳さに加え洗練された優雅さを表していることから江戸時代中期の造営と思われる。
 宮大工が誰であったかはわからないが、鶴崎(大分市)方面の宮大工の作品に酷似している。小型ながら本格的な神殿で、佐伯、南郡では見ることのできない極めて貴重な神殿である。

宇目町教育委員会 
 
蓮光寺の湧水
 
 
蓮光寺の湧水
蓮光寺の湧水
 大字木浦鉱山字竹田町 蓮光寺

 天正十年(1582)天目山で敗れ滅亡した武田一族は、諸国を流浪した。流浪の途中、豊後日向の境である木浦山にたどりつき、木浦山一体に鉱脈を発見して錫の採掘を行うようになったといわれている。さらにこの一族は、日之影川の支流である日隠谷を登り、大吹山に鉱脈を発見した。

 この一族が信仰していたのが日蓮宗久遠寺(甲斐国美延山)であったので、木浦山字中尾に小さな庵をつくり故郷や武田一族のことを思い信仰していた。ある日、こんこんと湧き出る清水を発見し、この地に寺院を建立した。こんこんと湧き出る湧水に、その名も「日蓮宗久遠寺末法水山蓮光寺」と命名した。以来この湧水は、江戸時代には木浦山の飲料水として、又鉱石を砕く水車の水など多くに使用され木浦山に欠くことのできない湧水となり現代に至っている。

現地案内板
 
 木浦鉱山は慶長三年(1598)の開鉱と伝わる。
 木浦鉱山からさらに県道6号線を進み、県境の杉ケ越えのトンネルを過ぎて見立に下る。さらに下流に進み、日之影川に架かる中村橋を渡り、五葉岳に向かう林道(悪路)を進むと左手に洞岳が見える。この林道の周辺に大吹鉱山の遺跡がある。
 洞岳鉱山は寛永三年(1626)の開鉱、大吹鉱山は寛永八年(1631)、見立鉱山は慶長三年(1691)の開鉱といわれる。洞岳鉱山は高見但馬守、大吹鉱山は加賀津兵庫、見立鉱山は馬場折右衛門など甲斐武田氏の遺臣が開発に携わったといわれるが異論もある。菊池氏の内紛により肥後国から甲斐国に移住した者が、30数年を経て再び九州に帰り、日向高千穂に定着して甲斐氏を名乗ったといわれる。この甲斐氏の一族が開発に携わったとの説もある。


日之影町の大吹鉱山に進む 

 
 
木浦鉱山   木浦名水館 唄げんかの湯
 
 
大切峠の千人間府と木浦女郎の墓
 
 
 
落水の熊野神社 
 
 
落水の熊野神社 
 
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