カール・ラインリヒ・マルクス

マルクスの名だけは聞いたことがあるだろう。資本論を著したことで著名である。別に私はマルクス主義者でもないことは、 前もって言っておく。労働者の惨状を見て、当時の経済学の分析ツールを用い資本主義がやがて共産主義へと革命によって変革される と説いた。「搾取」という言葉は有名だ。学派では彼は古典学派に属する。現代の経済学が科学的になった、 あるいは加速度的にそのように早められたのは、マルクスの出現によるものである。また、現代資本主義で我々、 労働者が法律により過酷な労働、賃金未払い、若年者労働等から守られ、選挙権・被選挙権、労働組合の結成、 団体交渉権等の権利を獲得していることも彼の影響があるだろう。資本主義VS共産主義といった冷戦、日本赤軍等の過激な思想の 出現という負の要素も、もたらしてきたが、歴史的にみて、我々、労働市民の今、ある幸福は彼の考えが批判されようとも、 彼の存在があったからである。そういったマルクスを含めた活動家が存在していなければ、 はたして現代に労働者の自由はあっただろうか。歴史は個々の事項で教えられるが、本質的に歴史にからまる多々の要素が結びついて、 過去、現在、未来へとつながってゆくのである。ここで、言っておくが、アメリカは「民主主義的自由」を叫ぶけれども、 政治学的に観て、それを最初に標榜したのは共産主義であることを忘れてはならない。 おそらく、この点において先入観が入り込み、いつしか資本主義=民主主義的自由が昔からそうであったと誤解される人が多いだろう。 歴史的には間違った認識である。
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