fate



ラッキー千石なんて誰がつけたのやら。
全然、ラッキーなんかじゃないじゃん。ねぇ?
何処にいるの?そっちに行きたいよ。
永遠なんて、信じてないけど貴方の近くに居たい。



「ごめん、しばらく会えないんだよねぇ。」
「ふぅん・・・・・・。」
「あっ!!そんなに怒んないでよ〜。」
「怒ってない。」
そう言って会話したのは数日前。
しばらくなんて嘘で、実際は三日。
友達と旅行に行くのだと、笑いながら話していたのに。
お土産の話をしていたのに。
どうして、こんなことになっちゃうわけ?

真夜中のTEL。
それがこんなに嫌なものに代わるなんてね。

電話が携帯にあって。多分、清純だろうと確かめもせずに出た。
「・・・・・もしもし?」
「あの・・・・越前君?」
「ダレ、あんた。」
「清純の友達だけど。実は・・・・・。」
言わないでよ。嫌な予感。
その先は、ノーサンキューだよ。
「清純が、行方不明になっちゃって・・・・・・。」
ほら。目の前がゆっくりと暗転するのが分った。
俺を置いてどっか行っちゃう。其れは、予感なんかじゃなかった。
今、目の前にある現実となって、この身に降りかかってるわけで。

雪山での遭難事故がどれほどのものか、分りすぎてる。
ましてや、雪崩など助かる確率は、低い。

聞いた話だと小さい女の子を助けようとして巻き込まれたらしかった。
それはいいこと、なんだろう。
でも・・・・・。
自分の中の感情と戦うのがこんなに苦しいなんて。
急いで、その旅先まで来て。
なにも出来ないって知ってるけど、少しでも近くに居たくて。
親父にそういうと、何も詮索しないで「行って来い。」って一言だけ。
学校も部活も関係ない。
俺を形成する上で、清純は無くてはならない人だから。

ホテルはざわついていた。捜索隊の人やら地元の消防隊の人。
沢山の人が探してるのに。
しかし、二次災害の恐れもあって、なかなか難航していた。
いらいらが止まらず、つい爪を齧りそうになる。
今すぐ、探しに行きたい。
清純なら、生きてる。俺を残して死んだりしない。
泣かない様に・・・・唇をかみ締めてる。
早く、会いたいよ。声が聞きたいよ。

次の日、ようやく捜索が再開されて。
まるで、夢を見てるみたいに時間だけが過ぎ去っていく。
ザワ・・・・・。
突然、周囲がざわついて。何かしらの変化が有体に分った。
「見つかったぞ!!」
担架に乗せられて、運ばれるその顔には顔色はない。
だらりと、腕が落ちるのを見て涙が止まらなかった。
「清純!!」
関係ない。誰が見てようが、何を言われようが。
急いで、駆け寄って。その手を強く握る。
しかし、その力は返されることはなかった。
真っ青な顔の清純は、まるで人形のようで。
ただ、黙って見つめるしかなかった。
こんなのって、ない。
まだ、遣り残したことも沢山あるのに。
すっと、二人で居ようって言ってたのに。嘘吐き。
目の前が真っ暗になるのも、止められずに。




気が付いたら病院だなんて、漫画みたいなパターンだ、ともやのかかった頭で、考える。
思考がまだ、まともに働いていないらしかった。
だが、大事なことを忘れてしまったわけじゃなかった。
・・・・・・・清純。
思わず、泣きそうになるのを必死で堪えて。
かちゃりと、ドアを開けると、清純の友人だと言う人物がいた。
その人は、清純の幼馴染で、よく知ってると言っていた。

「あいつさ、すごく変わったよ。」
「え・・・・・・・?」
「いい、意味でさ。前と違ったよ。其れは君のおかげなんだね。」
清純の前を知るという人物に少しだけ、嫉妬しながら。
でも、この思いは伝わることはないんでしょう。
その彼が、目の前の病室を指差して、
「その部屋に清純、居るから。」
と、言った。
少し、勇気を出して、その部屋に入ってみる。
其処はやっぱり、病室の匂いがした。
清純には、白い布が被せてあって。
死、というものが目の前にあった。
そっと、布を取ると、見慣れた顔があった。ねぇ、本当なの?
そうして、そっと、顔を近づけると、急に世界が反転して。
・・・・・・・・・・え?え?え?
訳わかんない。どうして、天井が見えるの?
「えっちぜん君vvv」
「・・・・・・・・・???」
ぎゅうって抱きしめる強さは変わらなくって。
「清純!?」
「うん?な〜に?]
「なんで、生きてんの?」
その言葉を聞いたとたん、がくぅと力が抜ける清純も変わりはない。
「酷い・・・・生きてちゃダメなの?」
いや、ダメって訳じゃないんだけど。
ってか、嬉しすぎて、声もない。
「ラッキー千石の名は、伊達じゃないよん。」
「あっそ。」

でも、本当にラッキーだったみたい。普通ならまず助からない。
「寒い。」
「え?風邪引いた?」
「そうかも・・・・・・ねぇ?」
「え?」
「暖めてv」
いつもなら、蹴りの1つもかましてるけれど、今日は特別。
暖かい体温がこんなに大事だと気がついた。
優しいキスを繰り返し、繰り返しされて。
こんなに、好きだ。なくてはならないほどに。

「・・・・や・・・・声・・・・聞かれ・・・ちゃうよ?」
「いいよ。別に。」
さらっと言ってくれちゃって。
こっちは、気になって仕方ないというのに。
でも、そんな杞憂は露となって消えた。
それほどの、余裕がないのが事実。
いつもは、冷たいと感じる其の手も、今日だけは本当に暖かい。
居なくならないで。
死が二人を別つとも・・・・そう思ってた。
でも、死すら別つことのない世界へ、連れて行ってよ。
目を閉じて、何もかも無くして。

貴方の居ない世界などに興味はない。
だから、ね。
運命レヴェルで、愛して。

Nobody knows his own fate.
But,i struggle againstmy fate with you.