左写真のように旧装置の入出力に使用
していたBNCコネクタの取付穴が多数
ありますこれが隠れるように、1mm厚
のアルミ板を表面パネルと同寸法にカッ
トし、新たに必要な穴を開けてその後塗
装し、両面テープで貼り付けます。
机の上で使用する場合、無線機への配
線がごちゃごちゃしますので、裏面に2
Pの端子台を設けてあります。

SW電源は高効率ではあるが、スイチ
ッングによる高調波を発生し、無線機
(受信機)にノイズが出る、また価格が
高い等で敬遠されがですがちですが
、特に問題ないようです。但し、受信
周波数によっては、ビートが出ることを
考えておく必要があります。 

NO 構  成 利得 無線機感度 SQ調整範囲 供給電圧と消費電流
3SK35使用のメーカ製 7dB -7.2dB/μv -16〜-5dB/μv 12V   4mA
2SK125ゲート接地 10dB -8.0dB/μv -16〜-6dB/μv  9V  19mA
SGM2006M使用@ 20dB -9.5dB/μv -19〜-7dB/μv 12V  14mA
SGM2006M使用A 23dB -11.0dB/μv -17〜-8dB/μv 12V  13mA
3SK129使用 22dB -10.5dB/μv -18〜-9dB/μv 12V   8mA

50MHz帯のプリアンプも作製しましたので紹介します。
古くて感度が今一のリグには有効かと思います。
古典的な2SK125をゲート設置としたシンプルなものとしました。 さすがにコイル部分は空芯
コイルと言うわけにはいかず、トロイダルコアT50−10を使用しました。

その1  電子負荷装置
  無線機や電子装置のめしとなる電気を供給する為には電源が必要となります。 当然自作や購入
  品又は修理完了後の評価を行うのには、それ相応の負荷が必要となります。  今までは3台の摺
  動抵抗器や大電力のほうろう抵抗等を組み合わせて行っていました。  被試験電源装置の出力
  電圧、負荷電流により色々組み合わせを換える必要があり、接続した状態では無負荷とはならず
  大変不便でした。よって、今回使用しなくなった自作のDC電源を解体し、そのケース内に電子負荷
  装置を製作し組み込むことにしました。

    仕様 無線機用の電源が主であることより、負荷電流10A最大損失200W程度で温度変化の
        少ないものを目標とします。

  電子負荷装置の理屈については、多くの説明がネット上でもなされてることより省略とします。
  また、幾つもの自作装置も紹介されています。  大きく分けて単にTR、FETのベースやゲートをVR
  で負荷電流を制御するものと、負荷電流を検出し、設定値と比較制御するループを持っているもの
  に分かれるようです。
  前者の場合負荷電流が少ない短時間の場合は使えるかもしれませんが、数A以上の電流になる
  と、素子の発熱により、ドリフトが多くなってきます。(電流が次第に増えてくる)
  よって今回は仕様を満足させるためループ制御式のものとしました。

  具体的な回路はCQ出版の実用電子回路ハンドブックNO,5に掲載されていたものの終段TRをFET
  としたものとしました。   
     差動増幅器=741   電力用FET=2SK560(ID15A 500V 100W) 3パラ
  

       摺動抵抗や大電力ホーロー抵抗                   手書き回路図

           組立配線作業中                          一応完成

一応完成したので、被試験電源を接続して動作確認を行っているところ
パネルメータの表示電圧は負荷側の電圧であり、ケーブルのロスが含まれます。 電源側の電圧変動は電源の出力端子にて精密電圧計で測定する必要があります。  同じく設定負荷電流の測定もルートに精密電流計を挿入して行います。  今回の製作の電子負荷に取り付けたメータはあくまで目安です。 

  手持ちのヒートシンクにFETを取り付けて、放熱の為ファンで強制空冷とする。 また、電流センサー用
  のセメント抵抗は、旧電源であった時のヒートシンクに取り付けて温度上昇を抑えることとしています。
  パネルには負荷電流計(もっと大きい方が良いがこれしかなかった)と入力電圧を確認する為のパネル
  電圧計(ジャンク箱にあったので利用)をとりつける。 電流の設定はメインの設定VRと微調用のVRを
  取付とした。
 

  電源トランスの手前に見えるのは、パネルメーター用の+5V電源
  差動AMP回路はそれ程ややこしくないので小型のユニバーサル基板上に組み立てる 

  不具合といんちき対策
  無線機で一般に使用される13.8Vで10Aの連続負荷テストではドリフトもなく正常に動作しました。 次に
  制御系で多く使用される24Vで試験を行ったところ7Aでぶっこわれてしまいました。(中央のFETがショー
  ト状態) この時の負荷損失は168WでありFETの合計損失300Wにはまだ余裕があると思っていたが、
  3パラFETにバランス用抵抗の適当な物がなく省略した為に負荷が中央のFETにかたより最大許容損
  失をオーパーしたものと思います。
  FETを交換し配線を写真では、中央のFETより分岐するようになっているのを、ソースは右のFETから
  センサ用抵抗へ、ドレインは右のFETから入力端子へとマルチの配線を変更してみましたが、今度は
  左のFETの温度上昇が他の2つに比べて著しく配線の引き回しというよりは、FETの特性のバラツキ
  によるものとなります。  バランス抵抗が欲しいが田舎では直ちに入手することは困難なので、はな
  はだ邪道ではありますが、左のFETのゲート電圧を91KΩと2MΩで分圧し、他のFETと温度上昇がほ
  ぼ同じになるように変更しました。  24Vでの試験は今後せいぜい5A(120W)までにしたいと思います。

  苦労したこと
  自作の場合極恵まれた地域に住んでいる人を除き部品の調達が最も苦労するところです。 本来この
  素子を使いたい、温度特性の良いコンデンサを使ってみたいと思っても直ぐには入手出来ません。 
  代替えの部品を手持ちの部品箱から探して試してみることになります。 今回のFETも廃棄になった
  スイッチング電源より取り外したものです。  但し、参考回路図どおりの部品を集めて製作する人に
  比べて、完成品の性能は劣ると思いますが、いろいろな不具合に遭遇し、それらを克服することにより
  確実に技術力はアップすると思います。 完成まで諦めないことです。
    電子部品はなんとか使える代替えが見つかることが殆どですが、どうしようもないのがケースです。
  製作する装置により、形状がそれぞれ異なるからです。 何を製作するか判らないのに都会へ行った
  ついでに適当に購入するのもつらい出費となります。 よって今回も適当なケースを探した結果、不要
  となった電源を解体して再利用することとしました。 表面バネルは電源としての必要な穴が多数空い
  ており、使用出来ません。 よって新たにホームセンターでアルミ板を購入し交換としました。
  製品としてのケースは表面パネルは見栄えを良くする為に、ヘアーラインやアルマイト処理がなされて
  いますが、安いアルミ板は地金そのものなので、穴開け加工後ベージュに塗装しています。
    

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その2  受信プリアンプの製作

  旧式無線機(20年位より以前と思われるもの)の修理やレストアを行っていると、現在の最新機種と遜
  色無い性能のものもありますが、受信感度がやや劣るものがあります。  これはこれで、オリジナル
  どおりと言えばそれまでですが、他の仕様は全く問題無い場合もうちょっと何とかして実用機として再
  度世の中で活躍して欲しいと思うことがあります。  そこで、最新( 実はやや古い)の素子を使用した
  プリアンプを製作してみました。  古い無線機には、多少は効果があると思いますが最新の機種で
  は、元々NFが低くSメータアンプや混変調の原因となるだけの要素が大きくお勧めは出来ません。
  最も最近の機種では内蔵はスペース的に全く無理な話ですね。   資料は古いCQ誌やネット内の
  諸氏HPを参考にさせて戴きました。

  (1)作製AMP
    今回作製したのは
     ・2SK125 ゲート接地のものです。 ゲインは低いが安定動作で評価されていました。
     ・SGM2006M GaAsMES FET(ソニー)を使用したもので、かなり昔に購入してそのままと
      なっていたものです。  チップの面実装タイプでかなり小さいので、製作を控えていたと思います。
     ・同じくSGM2006Mを使用したものですが、多少実装位置を変えてみたものです。
     ・3SK129 GaAa FETを使用したものです。
   その他、以前中古で購入したTS−700GUに内蔵されており、未配線となっていた3SK35を使用
   したメーカ製プリアンプの特性についても同じ方法で評価しましたのでお知らせします。
  
      回路は特に目新しいものはありません極標準的な回路を採用しています。
      同調コイルには製作の容易性からすべて1.2Φの錫メッキ線による空芯コイルとしています。
      また基板は両面エポキシ基板に彫刻刀とルーターでランドを作製して実体配線としています

  (2)測定方法

3SK35使用のメーカー製

2SK125ゲート接地

SGM2006Mを使用

SGM2006Mを使用実装を変えたもの

3SK129を使用

    単体でのゲイン測定は、SG(無線機テスタ)とスペアナで行いました。 電測計でも可能ですが、
    帯域特性を測定する場合にSGに連動して周波数を変える必要があります。 また、異常発振等
    の監視が出来ません。 スイーパーやネットワークアナライザあればいいのですが・・・・・

    NFの測定については、特に測定器もありませんので保有無線機の中で比較的感度が悪い状態
    のTR7200GUのアンテナ前に挿入して感度測定を行い評価としました。

単体での発振有無とゲイン測定

無線機を使用して性能評価

評価に使用した無線機の裸での特性は
20dBNQ感度   +1dB/μV      SQ調整範囲   -7〜+1dB    +6dBでのS/N  29dB
であり通常の運用ではぎりぎりの性能かなと思います。
作製後の評価については、下表のとおりとなりましたが、いずれも旧型無線機の感度アップには役に
立ちそうです。 いずれも発振等不安定な動作は確認出来ませんでした。
但し、結果よりゲインが高いほうが、感度も良くなっていますが、メーカ製はゲインを控えめにして感度
はそこそこにしていると思われます。同調の結合も祖になっており、6dB帯域幅は6.5MHz程度です。
自作のものは25MHzとかなり広帯域となっています。  ゲインを優先した場合は発振や混変調等の
弊害が多くなり実用的でなくなる要素が大と思います。  ただ、144MHz全盛でCH争いや隣接CH
のかぶり等で電波上にて争いが起きていた時代が懐かしいですね。  たまに電源をいれても地方で
はノイズと休みにたまに聞こえるコンテストの声だけです。 

   メーカ製及び自作プリアンプの評価結果は下表のとおりです。

プリアンプを自作したが、特性についての評価が出来ない等近くでお困りの方は協力します

2SK125使用のプリアンプは2式製作し内1台
を別の無線機内に実装しました。hp内の"中
古無線機"の修理例を参照下さい

自作品の紹介

特性は内蔵のSW電源の性能に依るものと
なります。 

組込電源:TDK EAK 15-3R4  
 *電圧は13.8Vに設定

電源出力 13.8V   MAX 3.4A

3.0A負荷での電圧降下は100mVでした

 今まで無線機や電源、アダプタ類等を細々と勉強しながら製作してきました。 当然使用測定器、入手部材等に制約もありなかなか完璧と思えるものは出来ません。 しかし、自ら回路を検討し、部品の配置、使い勝手等を考えながら進める作業は自身の技術力向上に役立ったと確信しています。
 よって、今後一応使えそうな自作品が完成した場合に、本サイトで公開し同じ趣味を持つ方の参考に
して戴けたらと思います。  但し、あくまで素人の製作なので、回路的におかしい箇所も多々あるかと
思います。その点は、製作者殿にて改善を行いより良いものとして戴きたく思います。 よくも悪くもアマ
チュアとしての自作は自己責任の世界であり、製作の過程を楽しむのがプロの設計製作とは異なるとこ
ろと考えます。

手前の素子は+8Vのレギュレータです。
性能は51MHzでのゲイン12dB ノーマルでの感度−5dB/μVのヤエスFT−627の入力
に接続して感度が−12dB/μVとなり7dBのアップとなりました。
*写真で入力部のマッチング回路のCVでアース側が未半田となっておりますが後でしっかり
 と接続しましたので念のため

その3車載無線機用電源装置の作製

この度不要となったケースのリユースとして手持ちのスイッチング電源を組み込んだものと、安
く入手したリードの汎用ケースを使ったシリーズ方式のもの2台で計3台の車載無機線用電源を
紹介します。 地方で自作する場合ネックとなるのがケースです。 適当なものを見つけたらみ
なさんも作製してみてはいかがでしょうか? 但し、板金の工具と多少の技術は必要となります。

その1
その昔周波数カウンターの基準用の高精度10MHzを得る方法として、テレビのビデオ信号
の中から、色同期信号を抽出し、PLL回路より得る方法が紹介され秋月電子よりキットが販売
されていました。 これを購入して10MHz基準発振器を作製しました。 その後、カウンターの
校正や測定に使用したことはありますが、テレビが必要であり、面倒でした。 そのうちアナロ
グテレビ放送は終了し過去の遺物となりました。 今回このケースを利用して電源としたものです。

その2

ケースは2個入手出来たので、手持ち在庫部
品の活用も考えて電圧計が異なる2台としまし
た。 基本的回路は全く同じで シリーズ電源専
用ICの723を使用したものです。
相違点
写真左のものは、電圧計に旧SGより取り外し
たキャリアーレベルメータを利用しました。 このメー
タにMAX16Vの電圧表示スケールをエクセルで
作製し、寸法を調整後両面テープで貼り付けま
す。 メーターはVU計を代用すると電圧に対して
リニアに指針が動作しません(右に振れたとき詰
まってくる)ので見づらいものとなりますので注意
が必要です。 フルスケールで16Vとなるように
シリーズに入れたVRで調整します。
無線機の電圧はそれ程正確なものは要求されま
せんので目安程度でだいたい判れば十分です。
写真右のものは、電圧計にデジタルパネルメータ
を取り付けたものです。 このため別途5Vの安定
化電源を組込み供給しています。 実験用電源で
はないのでもったいないものです。

アナログメータのもの

デジタルメータのもの

電圧の制御は723を使用したもので特に目新
しいものではありません。
出力TRは2SD1841を2個使用し、容量は十分
です。 これは壊れた24V→12V 30AのDC-
DCに使用されていたものを入手し取り外した
もので本来は合わせて4個パラとなっていまし
た。 ICはエポキシ基盤をエッジングで作製して
ました。基盤はスペースの関係で水平と垂直と
実装位置が異なっています。
リミッタ電流は4.8A位で動作します。 13.8V4A時
の負荷では20mV程度の電圧降下です。
現在取り付けている3Aの電流計は計測オーバ
ーとなり、5Aが適当と思いますが、在庫部品の
活用でありやむを得ないこととなります。
自作の場合ケースの寸法を初め手持ちの部品
を使用するため、必ずしも最適な設計とはなり
得ません。 メーカーでは、製造コストの低減は
重要であり、部品も含めてかなりぎりぎりのもの
も見受けられます。 自作の場合は過剰品質と
なるほうが多いのではと思います。
自作品は部品の選定から製作時のトラブル等
を経て回路を理解し、その特性を知ったうえで
使用することで、愛着が深まるものと思います。